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【ベルリン篠田航一】ドイツ政府は今月から、旧西独時代の1956年に導入した徴兵制を中止し、
兵役を志願制に切り替えた。冷戦終結や東西ドイツ統一から20年以上が経過し、
周辺国からの脅威が消滅した現状に加え、財政再建の一環として国防費を削減するのが狙い。
かつて東西対立の最前線だったドイツの徴兵制中止は、欧州情勢の変化を改めて感じさせる。
ドイツは徴兵制度自体は廃止せず、あくまで「中止」とし、安全保障面で
脅威が生じた際には復活する選択肢も残しているが、事実上の廃止と受け止められている。
ドイツの徴兵制は18歳以上の男性が対象。冷戦期に最長18カ月だった兵役期間も
昨年は6カ月まで短縮していた。これまで兵役に就いたのは約840万人で09年は約7万人。
兵役の代わりに病院や社会福祉施設などで働く「良心的兵役拒否」も認められており、
近年、兵役を選ぶのは対象者のわずか2割にとどまっていた。
政府は2014年までに83億ユーロ(約9500億円)の国防費削減を計画。
現在22万人の連邦軍も数年後には18万5000人まで縮小し、
職業軍人と志願兵による部隊に再編成する方針だ。
軍の役割は国土防衛が主任務だった冷戦期から、現在はテロ対策や海外派兵に転換。
アフガニスタンやコソボ、ソマリア沖などに活動範囲を拡大している。だが徴兵期間が6カ月では
十分な訓練ができないとの指摘もあったため、デメジエール国防相は独メディアに
「今後の志願兵は、プロとして十分に訓練された精鋭部隊にする」と話している。
ドイツ連邦軍によると、北大西洋条約機構(NATO)加盟28カ国のうち、徴兵制を維持しているのは
ギリシャ、トルコ、ノルウェーなど6カ国。志願制は今月移行したドイツをはじめ
米、英、仏、カナダ、イタリアなど21カ国。アイスランドは軍を持っていない。
毎日新聞 2011年7月3日 19時29分(最終更新 7月3日 21時57分)
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