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「不当判決だ」「裁判所は被害の実態を理解してない」--。
国営諫早湾干拓事業を巡る潮受け堤防の開門請求を退けた27日の長崎地裁判決。5年間の常時開門を
命じた福岡高裁判決(確定)を真っ向から否定する内容に、原告の漁民からは一斉に非難の声が上がった。
「信じられない。こんな判決を出すなら、長崎地裁なんて必要ない」。判決後に長崎市で開かれた集会で、
諫早湾内で漁業を営む原告団長、松永秀則さん(57)=長崎県諫早市小長井町=は声を荒らげた。
松永さんは、夏はアサリ養殖、冬は高級二枚貝のタイラギ漁で生計を立ててきた。しかし着工後、収入は激減。
93年以降は収入の柱だったタイラギがほとんど収穫できず、アサリも赤潮による死滅が続いた。
現在は妻のアルバイトや国、県の補助事業収入に頼るが、不安は尽きない。後を継ぐはずだった長男も
転職を迫られた。
3年前のこの日、佐賀地裁は漁業被害を認め、昨年12月には高裁判決が確定。「ようやく有明海の再生が
かなう」と期待し、今回の裁判で早期開門の後押しになると考えていた。そのさなか、被害を否定する内容の
判決を突き付けられた。
「事業による悪影響を肌で感じている私たちがこれだけ被害を訴えてきたのに、どうして理解してくれないのか」。
松永さんは体を震わせた。
(>>2-10につづく)
▼毎日jp(毎日新聞) [2011年6月27日 23時19分]
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