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・東京電力福島第1原発事故で、福島県飯舘村と川俣町の住民計15人の尿を放射線研究家が
検査したところ、全員が内部被曝していたことが分かった。福島県は全県民200万人余りを
対象とする健康調査を27日から始めるが、県民の不安は解消できるのか。
広島大の鎌田七男名誉教授(放射線生物学)と医療生協わたり病院(福島市)の斎藤紀医師らが
5月上旬と5月末の2回、両町村で4~77歳の住民15人から採尿し、原発事故後の行動を調査した。
その結果、放射性セシウムはごく微量を全員から検出、放射性ヨウ素は最初の検査で6人から
検出し、推計で最大3・2ミリシーベルトだった。外部被曝の推定線量は13・5~4・9ミリシーベルトで、
内部と外部の被曝の合計は約2カ月間で14・2~4・9ミリシーベルトだった。
鎌田名誉教授は「今後、汚染された野菜などを食べなければ心配はないが、原発事故が
収束しなければこの地区に住み続けるのは難しい」として、これらの地域を計画的避難区域とした
政府の方針に理解を示し、「20ミリシーベルトの年間規制量には至っていないが、住民の判断材料として
利用してほしい。国は内部被曝も考慮した対応が必要だ」と話している。
同県では26日、福島市内の小学校で敷地内や通学路の放射線量を測定、高圧洗浄機などを使った
除染でどれだけ線量が減少するか調べる実証実験を始めた。その結果、福島市立第一小学校の
玄関脇の雨どい付近で毎時47マイクロシーベルトと高い放射線量を計測した。
地表のコケを取り除くだけで5・1マイクロシーベルトに低下し、さらにデッキブラシや洗浄機で
丁寧に清掃すると、1・0マイクロシーベルトまで下がった。35マイクロシーベルトだった校舎屋上の
排水溝も、たまった落ち葉などを取り除き、清掃すると、1・9マイクロシーベルトまで下がった。
同県は7月1日まで同市内の小学校3校で実証実験を行い、近く学校や家屋を除染する際の
注意点をまとめ、市町村に通知する。他の学校の類似した場所でも同様に高い線量になる可能性が
あることから、子供が近づかないようにする措置などを取るか検討を始めている。(一部略)
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