11/06/26 23:45:25.25 0
東京電力福島第一原発の事故で計画的避難区域に設定され、全村避難となった飯舘村で
唯一、水をたたえた田んぼがある。高野靖夫さん(57)が、独立行政法人農研機構(茨城県つくば市)の
コメ栽培実験に協力したもので、秋の収穫まで農作業を行う。原発事故の混乱のなか、母を亡くし、
手塩にかけた約50頭の肉牛は今月中にすべて処分する。来月初め、福島市に避難するが、
新生活の見通しは全く立たない。「もう一度、飯舘で農業をやりたい。それだけです」と静かに語る。(太田雅之)
天然のヤマメが泳ぐ小川と、そこから水を引き込んだ7アールの田んぼ。今月20日、
防じんマスク姿の高野さんの田植え機が入った。例年より1か月遅れの田植え。
長く苗床にあった「ひとめぼれ」の苗は、先端が少し黄色い。
「老化し始めている。ちゃんと育ってくれよ」。高野さんは祈るように言った。
21歳の時、稲作と畜産を営む両親の手伝いを始めた。当時のコメは、「寒さには強いが、まずかった」。
味の良い品種を育てるため、水の管理を徹底し、肥料のやり方を研究した。
ようやく納得のいく品質のコメが作れるようになったのは十数年前。昨年は6ヘクタールで作付けをした。
規模拡大のため、新型の田植え機やトラクターも購入した。これから、というとき、原発事故が起こった。
>>2へ続く