11/06/26 23:32:43.00 0
東日本大震災の発生から3カ月半。政府の復興構想会議(五百旗頭真(いおきべまこと)議長)が
25日まとめた提言は、大津波被災地の高台移転を基本としたまちづくりのプランを示した。
ただ、財源確保を優先する財務省主導の増税論議が前面に出た結果、市街地や住宅地を
丸ごと移転させる大規模事業の経費負担や法制度の具体像はあいまいなまま。
「8月退陣」の可能性がある菅直人首相の実行力を危ぶむ声も委員から聞かれ、
不安定な政治状況が復興の先行きに影を落とす。【中井正裕、笈田直樹】
「我々なりに未来に向けた青写真となるべき提案を盛り込んだつもりだ。
政府がこの提言を真摯(しんし)に受け止め、誠実に速やかに実行することを強く求める」
復興構想会議の五百旗頭議長は25日、菅首相に提言を手渡した後、こう強調した。
提言の目玉は被災地の住宅や都市機能の高台移転。菅首相が4月1日の記者会見で
「山を削って高台に住み、漁港まで通勤する。世界でモデルになるような新たなまちづくりを目指したい」と打ち上げた構想だ。
住宅は基本的に高台や内陸に集約し、海側の平地には農業や水産業などの産業機能を残す。
山を切り崩すなどして高台の市街地・住宅地を造成する大胆なプランが示された。
しかし、具体的な工法や事業主体、経費負担などの選択肢は見当たらない。
宮城県の試算では、津波被害を受けた県内12市町の高台移転に必要な事業費は2兆円以上。
12市町の年間予算総額の約10倍に上る。国がどこまで負担し、どの府省が担当するのか。
構想会議の下に設置された検討部会のメンバーは「事業コストを算出し、
被災地に選択肢を示すべきだったが、時間がなかった」と検討不足を認める。
市街地は国土交通省、農地は農水省、自然公園は環境省と所管の分かれる土地利用手続きについて、
提言は「市町村中心に行われるよう一本化」した仕組みの構築を求めた。平地の住宅地を
農地に転換する仕組みの検討も求めたが、府省の「縦割り」が壁となって具体化の検討は進まなかった。
各省の担当者からは「(ねじれ国会で)成立が不透明な法案を準備するより、
今ある法律を組み合わせた方がいい」と不安定な政治状況を理由に消極論も出ている。
>>2へ続く