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★模索重ねる平和教育 現場任せの声も
平和教育の模索が続いている。23日の「慰霊の日」前後は、県内の小中高校で講演
会や写真展、フィールドワークなどがめじろ押し。語り部の高齢化が進む中、基地を題
材にした劇の観賞や原発・震災と絡めた講演会など、趣向を凝らす学校もあった。だ
が、内容の質は現場任せなのが現状だ。「行事の時間が限られ、平和教育だけに力を入
れてられない」「教師のやる気次第」。さまざまな声が聞こえてくる。
「基地、あってもいいんじゃないですか」「沖縄から基地がなくなる可能性ってある
んですか」
前宜野湾市長の伊波洋一さんに多くの疑問をぶつけたのは、浦添工業高校の生徒ら。
22日に同校で開かれた平和講演会で、普天間基地の移設問題について語った伊波さん
に、質問が相次いだ。
伊波さんは戦後、米軍に住民の土地が接収された経緯に触れ「基地をなくし、跡地利
用していくことが沖縄の成長につながる。将来を担うのは君たちの世代。声を出す大切
さを忘れないでほしい」と訴えた。同校の中川順夫教諭は「基地を絡めて理解を深める
ことが沖縄の平和につながるはず」と意義を語る。
石川高校と嘉手納高校は演芸集団FEC主催の「お笑い米軍基地」を全校生徒で観
賞。石川高は「戦時の話に偏らず、身近な基地問題から沖縄戦を考える入り口にした
い」。嘉手納高は「基地が隣接し、騒音に悩まされている。去年までは沖縄戦をテーマ
にした映画観賞だったが、基地のある現状を考えてもらおうと思った」。平和教育に向
き合うスタンスはさまざまだ。
ガマや戦跡、基地周辺のフィールドワークは、クラスの代表2、3人が現地に行き、
学校で報告するスタイルが多い。ある教頭は「代表で行けばバス1台で済む。数百人で
行くより現実的」。別の学校の教頭は「ことしは講演会のみ。他にやりたくても、時間
数がギリギリでできない」と話す。授業数の確保、予算などにも頭を悩ませる。
(続く)
■ソース(沖縄タイムス)(渡慶次佐和、儀間多美子)
URLリンク(www.okinawatimes.co.jp)