11/06/22 15:31:12.91 16t0IYY40
急速冷凍庫の温度が急激に上がってしまっていた。ヴァニラアイスクリームはしっかりとエッジを出すために、型に絞って冷凍してから外すことにしていたのだが、
まったく固まっておらずきれいにはずすことができなくなってしまったのだ。五十嵐はシリコンの型を切り裂いて何とか形にしたが、アイスは試食に出す前に溶け出し
思ったようなきれいな仕上げにはならなかった。味的には問題なく、本来の形を知らない審査員にはそれほど問題ない出来栄えであったが、この失敗は完璧を目指す
メンバーたちにとっては大きなショックとなり、作業終了後、選手たちはそのショックを隠すことができなかった。
大会2日目は6時開始であるため、選手は4時起きとなる。前日のトラブルをなるべく挽回できるよう、前夜再度入念な打ち合わせを行って試合に臨むこととなった。
だが2日目開始早々、再度問題が発生する。他国の審査員から「日本チームが今朝吹きつけしたチョコレートの型を持ち込んだ」と言いがかりがついたのだ。
もちろん、そんな事実は一切なく、また、審査委員長が2日目のキッチン検視ならびに選手の入場の際にそのような事実は全く見られなかったと説明するが、
納得のいかない○国の審査員は「証拠を見せろ」と譲らなかった。最終的には全審査員を集めたうえで、そのような事実はないことが確認されたのだが、
そのために日本チームが受けた仕事の妨害は少なくなかった。