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各地の下水処理場の汚泥などから放射性セシウムが検出された問題で、処分できないまま施設内
などに保管されている汚泥などが9都県で少なくとも計1万706トンに上ることが毎日新聞の調査で
分かった。政府は16日、処分方法を巡る「当面の考え方」を示したが、自治体からは「埋め立て場所
が見つからず、引き取る業者もいない」と実効性を疑問視する声が上がっている。
◇処分、濃度別に条件
調査は全都道府県の担当課などを対象に実施。東北や関東地方を中心に、16都道府県で汚泥や
焼却灰などから放射性セシウムが検出されていた。
このうち、濃度が低い自治体の場合は、セメント業者が引き取ったり、埋め立て処理をしている。
だが、9都県では処理できずに保管を余儀なくされている施設があり、群馬県で3510トン、茨城県で
1670トンに上る。「楽観的に見積もってもあと1カ月で満杯」(さいたま市)など、多くの自治体が
保管場所に苦慮している。
政府は、埋め立て地の周辺住民の被ばく線量を年10マイクロシーベルト以下に抑えることを念頭に、
1キロあたり8000ベクレル以下のものは、跡地を居住などに使用せず、防水対策を講じれば埋め立て
処分できると説明。8000ベクレルを超え10万ベクレル以下の場合は、濃度や遮蔽(しゃへい)方法
などの安全性を個別に評価したうえで、廃棄物処分場に埋め立て処分することも可能としている。
10万ベクレルを超える場合は、可能な限りコンクリート壁や覆土で放射線を遮蔽できる県内の施設で
管理することが望ましいとした。
国の考え方への自治体の反応は厳しい。セメント会社から受け入れを拒否され、15日現在で
約30トンの焼却灰を保管する東京都立川市の「錦町下水処理場」。月末にも満杯になる見込みで、
服部敏之場長は「セメント会社の受け入れ再開のめどが立たなければ、埋め立て処理も検討しなければ
ならない。だが、処理場が確保できるのか疑問だ」と話す。
国土交通省は「(各自治体で)埋め立てのできる処分場を探す努力をしてもらうしかない」と
話している。
▽毎日新聞
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