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・30年以内の発生確率が60~70%とされる東南海・南海地震が、東日本大震災と同じ
M9.0規模で起きた場合、大阪湾岸から約15キロ離れたJR大阪駅などのほか、大阪府
北東部の北摂、河内地域など約40キロ離れた地点まで浸水被害を受ける可能性が
あることが、専門家の試算で分かった。
試算したのは、東日本大震災復興構想会議の委員で、関西大社会安全学部の
河田恵昭学部長。
試算では、東南海・南海地震がM9.0規模で起きた場合、大阪湾岸では高さ5.5メートルの
津波が発生する可能性がある。地盤の高さと照らして浸水域を描くと、被害は大阪市周辺
などで計16市前後に及ぶことが分かった。
大阪市内では、JR大阪駅(北区)や新大阪駅(淀川区)、市内のメーンストリートの
御堂筋や市役所(北区)も浸水域に入るほか、府咲洲庁舎(住之江区)や市営地下鉄、
地下街にも大きな被害が出ることが予想される。
大阪市の南の堺市では、湾岸に近いJR阪和線以西が水没。さらに、津波は淀川などを
さかのぼり、大阪府北部の北摂地域にある豊中、吹田、摂津、茨木、高槻の各市や、
東部の河内地域にある守口、門真、寝屋川、枚方、四條畷、大東、東大阪、八尾の
各市にも被害が広がる可能性がある。また、兵庫県尼崎市でも被害が想定されている。
大阪市内では、海抜約20メートルの上町台地にある府本庁舎(中央区)や府警本部(同)、
市立阿倍野防災センター(阿倍野区)などは被害を免れると想定。ただ、これらの建物も
上町断層帯が近くを通っているため、直下型地震に見舞われるリスクを抱えている。
国の中央防災会議ではこれまで、M8.4クラスの南海地震で大阪湾に到達する津波の
高さを2.5メートルと想定。浸水想定域も、大阪市の湾岸部や堺市、尼崎市の一部にとどめていた。
東日本大震災を受け、同会議は東海、東南海、南海の3つの地震について、連動被害想定の
見直しを始める。しかし、各自治体が新たな地域防災計画の策定を終えるのは、平成25年ごろに
なる見通しだ。(抜粋)
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※浸水マップ:URLリンク(sankei.jp.msn.com)