11/06/14 10:57:33.75 0 BE:2291739179-PLT(12066)
「日本はこの先どうなるんでしょう」
「どうにもならんでしょう。あと10年はこんな状態が続くと覚悟するしかない」
原発事故の話ではない。海外でも日本人の心配は、被災より政界の混迷に移っている。私のつれない返答に、
反論した人は誰もいない。皆ため息をつくだけだ。
無責任な、となじられるか。一昨年の政権交代について、民主党は自民党の古い歴史をなぞるから、政権「後退」になるだろうと書いたことがある。
民主党には政治家がいないので、一からつくらなければならない道のりを思ったのだ。政争はそのための貴重な修練の機会である。
それなのに、宇宙人が「ペテン師」とののしる茶番とは。彼らはやはり政治家になれなかった。
新聞でこれからの首相候補たちの顔ぶれをながめる。断言するが、誰がなっても2年と続く人は出ないに違いない。
例えば、前原誠司氏。小沢一郎元代表や稲盛和夫氏への恨みつらみを何度聞かされたことか。裏切り裏切られは政治の常。
寄れば愚痴をこぼす政治家とは何者か。
あるいは、仙谷由人氏。98年の金融国会で旧大蔵省幹部たちが「期待できる政治家」と持ち上げたのを忘れられない。
もちろん「使い勝手がいい」という意味だ。
他は推して知るべし。自民党は言わずもがな。今の政界リーダーは、政治家に不可欠な修練の機会をすでに逸した人たちでは、
との疑いをぬぐえない。私たちはそろそろ、もはや彼らが政治家になる日は来ないと思い定めるべきではないのか。
それでは政治にならない? 震災後の国内を望見し、まつりごとの要は民の鎮魂にあり、という先人の言を思う。「この際、大政奉還した方がいい」。
こう私がつぶやくと、なぜか皆、妙に得心する。これは反時代的な寓話(ぐうわ)だろうか。(ジュネーブ支局)
毎日新聞 2011年6月14日 0時06分
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