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県内の瓦職人が悲鳴を上げている。東日本大震災で多くの民家の瓦屋根が壊れ、修理の
依頼が一気に押し寄せた。「腕が悪いから壊れた」という一方的な非難、過重な労働、
雨漏りを心配する顧客からの矢の催促。職人から「もう限界」との声が出る。県瓦工事
組合連合会には震災後、会員2人の自殺の可能性が報告された。「厳しい業界の窮状を
知ってほしい」。薄井幸夫会長の訴えは切実だ。
連合会によると、県内で民家などから落ちた瓦は推計で約4万トンに上る。一業者
当たり400~2000件の依頼を抱え、パンク状態だ。仕事量は「4、5年分」(連合
会関係者)にもなるという。
「技術が悪かったから瓦が落ちたんだ」。県南地方の業者は、自分が屋根を手掛けた
顧客から容赦のない言葉を浴びせられた。瓦の損壊には建物の強度や地盤などさまざまな
原因が考えられるが、知り合いの同業者も自信を持って完成させた仕事を非難された。
「ノイローゼになった仲間もいた」と打ち明ける。
人手や資材の不足が事態をさらに深刻化させている。20年前、連合会の会員は約
120業者だったが、和風家屋の減少などで、今は4分の3に減った。震災直後に比べ、
最近は徐々に瓦を入手できるようになったが、まだまだ品薄が続く。
全日本瓦工事業連盟はホームページで、被災地で仕事を請け負ってくれる職人を募って
いるが、応援の職人は宮城や茨城県に偏り、本県への加勢は少ないという。いわき市の
職人(62)は「放射能の影響だろう。福島こそ応援が必要なのに」とやりきれない思いを
語る。
間もなく梅雨や台風シーズンを迎える。応急処置としてビニールシートをかぶせている
家が多く、修理を待つ人からは「いつ嵐が来るか分からない。早く直して」との声が相次ぐ。
薄井会長は「今こそ業界挙げて頑張る時だが、これ以上の無理はできない」と複雑な思いを
口にした。
※続きます。
福島民報(2011/06/12 10:47)
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