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(>>1の続き)
米国のキッシンジャー元国務長官は、外国の高官と電話で会談した内容をすべて録音
していた。その録音を書き起こした記録は、すべてが公文書館に保存され第一級の外交
史料となっている。逆に言えば、確認できないようなもの(例えば携帯電話)を米国の
大統領は持てない。オバマ大統領が誕生したとき、愛用のブラックベリーを大統領が使
い続けてもいいかどうかが議論され、結局、認められた。しかしそのためには通信内容
を誰かが確認することをしているはずだ。そこまで「記録」ということにこだわってい
るのは、「ウォーターゲート事件」※という大統領が関わったスキャンダルがあったか
らだろう。常に記録していくという姿勢は立派なものだ。
民主党の透明性
ひるがえって日本の現状はどうだろう。官邸内の首相の発言やミーティングなどが、
すべて録音されているというような話は聞いたことがない。菅首相が間違い電話をかけ
たという記事を見たこともあるが、およそ首相が自分で電話をかけるということがある
のだろうか。本来、電話をかけた相手、会話の内容なども官邸が承知をしていなければ
物事が円滑に進むまい。最高権力者にとって「私的な会話」というものはほとんど存在
しない。
福島第1原発の事故発生から、官邸にどのような報告がどこから上がっていたのか、
誰がいつどんな議論をしたのか、そしてどのような決断がなされたのか。いかに非常時
であっても(あるいは非常時であればあるほど)こうした記録がなければおかしいので
ある。記録がもしあるのなら、それを事故調査・検証委員会に提出することが必要だ。
それは「犯人探し」をするためではなく、どのように対応したかをまさに検証し、後世
に生かさなければならないからだ。それこそ菅総理の好きな「歴史の評価」である。
(続く)