11/05/30 11:02:53.00 0
(>>2の続き)
もう1つ民主党の好きな言葉で言えば、透明性の確保ということでもある。民間人だ
ったら許される程度の「私的な会話」も、いったん総理官邸という最高権力者の公的な
場に入ったら、当然、記録の対象になっておかしくはあるまい。菅総理に自覚があるか
ないかは知らないが、総理大臣は自衛隊の最高司令官でもある。仙谷元官房長官が言っ
ていた「暴力装置」を自分の意思によって動かすことができる(実際、10万人の自衛官
を災害派遣することを最終的に決めたのも、ヘリで原子炉に水をかけるという危険だが
効率の悪い作戦を決めたのも首相である)。「誰が決めるか」も重要だが、とりわけ必
要なのは、どのような議論の末に決めたかだと思う。
原子炉事故が発生し、3基の原子炉で史上最悪とも言えるメルトダウンがほぼ同時期
に進行しているときに、官邸が何を承知していて、どういった議論に基づいて何を決め
たか。事故調査・検証委員会がありとあらゆる情報や資料をまとめて報告したときに、
果たして菅政権はその「総括」に耐えられる仕事をしたのかどうかが明らかになる。
(以上)
著者プロフィール:藤田正美
「ニューズウィーク日本版」元編集長。東京大学経済学部卒業後、「週刊東洋経済」の
記者・編集者として14年間の経験を積む。1985年に「よりグローバルな視点」を求めて
「ニューズウィーク日本版」創刊プロジェクトに参加。1994年~2000年に同誌編集長、
2001年~2004年3月に同誌編集主幹を勤める。2004年4月からはフリーランスとして、
インターネットを中心にコラムを執筆するほか、テレビにコメンテーターとして出演。
ブログ「藤田正美の世の中まるごと“Observer”」