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東京電力福島第1原発で、津波ではなく地震の揺れによって破損の可能性が浮上した緊急時の
炉心冷却系の配管は、最も高レベルの耐震性が求められている重要機器の一つだ。東電はこれ
まで「津波到達まで主要機器に破断など異常はなく、地震の揺れによる損傷はない」との見解を
示してきた。しかし、実際に地震で重要配管が傷んだとすれば、全国の原発の耐震設計の見直し
にも影響する事態となりかねない。
経済産業省原子力安全・保安院によると、3月11日の地震による同原発2、3、5号機の揺れは、
事前に想定した最大の揺れの強さ(基準地震動)を最大3割超えていた。
揺れは0・2~0・3秒の比較的短い周期で強く、燃料集合体が揺れやすい周期とほぼ同じだった。
炉心冷却系の配管損傷の疑いが浮上した3号機では、周期0・31秒で1460ガル(ガルは加速度
の単位)という最大値を記録している。
東電は、解析結果について「計測機器の故障も考えられる」としているが、同原発1号機では、
地震発生当夜に原子炉建屋内で極めて高い放射線が計測され、揺れによる機器や配管の破損が
疑われた。
こうした経緯から、大阪大の宮崎慶次名誉教授(原子力工学)は「(配管の)損傷は地震によるもの
と推測できる。老朽化していた可能性もあるが、他原発の安全確保のためにも、本当に地震による
損傷なのかを徹底的に検証する必要がある」と話す。
(>>2-10につづく)
▼MSN産経ニュース [2011.5.25 20:02]
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