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陸前高田市気仙町の上長部地区で、住民が魚の腐敗臭に苦しんでいる。
魚は津波で破壊された水産加工会社の冷蔵庫から流れ出たサンマやサケなど。
東日本大震災発生から2カ月以上過ぎた今もがれきが邪魔をし、広範囲に散乱した魚の撤去や
消毒が進んでいない。大量に発生したハエが近くの避難先に入り込むなどし、衛生面に対する
住民の不安が高まっている。
上長部地区は現在約100人が暮らす。地区に程近い冷蔵庫は津波で壁などが壊れ、
鉄骨むき出しの無残な状態。流れ出たサンマの入った箱などが、手が届かないがれきの下や
住宅1階の屋根の上などあちこちに散乱したままで、冷蔵庫から1キロ以上先まで広がっている。
気温が上昇する日中には、むせるような腐敗臭が漂う。4月末ごろから発生するようになった
ハエの「被害」も深刻。腐敗したサンマをひっくり返せば、わき出るようにウジがうごめく。
散乱した魚の回収作業は、ゴールデンウイークには1日300人以上のボランティアが当たったが
終わらなかった。今は訪れるボランティアが少なくなった上に、住民が自力で回収しても重機が
なければ地中に埋めることができないジレンマも抱える。
住民は市を通じて消毒を依頼したが、がれきの撤去が進んでいないため、今月中旬の作業で
業者が消毒できたのは車が通れる道路沿いだけだった。引き続きがれき撤去と魚の回収を
要望している。
(>>2-10につづく)
ソース:岩手日報
URLリンク(www.iwate-np.co.jp)
画像:住宅の屋根の上にまで散乱するサンマの入ったケース
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