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大阪府などで整骨院3カ所を経営する柔道整復師の男性(65)が約20年間にわたり、
数億円の療養費を不正請求していることが、毎日新聞の取材で分かった。
患者の通院日数を実際より水増ししたり、
通院していない患者の名義を使ったりする手口で、
市町村や健康保険組合などへの請求を繰り返していた。男性は取材に
「不正請求と言われても、申し開きできない」と大筋で認めている。厚生労働省近畿厚生局は実態調査に乗り出す方針。
複数の元従業員らによると、男性は90年に大阪狭山市、00年に堺市南区で整骨院を開設。
男性は当初から、療養費を請求する際、患者の通院日数を水増しして請求。
従業員や家族の名前を悪用し、実際には通院していない患者の療養費も請求していた。
男性は虚偽の負傷原因や来院日などを記した「施術録」を作成。それを基に従業員が
申請書を作成し、請求していた。申請書には患者の署名や押印が必要だが、
男性の指示で従業員が患者の氏名を記入したり、市販の印鑑を使って申請書を偽造したりしていた。
例えば、09年には3日しか通院していないのに39日分を請求したケースがあった。
また交通事故の患者には、自賠責として保険会社に請求した施術費のうち、数万~十数万円を
「還付金」としてキックバック。常連の患者に酒食の接待をすることもあったという。
柔道整復師を監督する旧社会保険庁(現在は厚労省に移管)は08年5月、
整骨院を監査した。この時は男性が院長として雇用し保険請求の名義人になっていた
別の柔道整復師を、5年間の保険業務停止処分にした。男性はいったん2整骨院を閉院したが、
09年以降、大阪府内と和歌山市内で計3院を開設。別の柔道整復師を院長として雇い、不正請求を続けているという。
男性は取材に「(不正請求は)経費を捻出するためだった。指導を受けて改善したつもりだったが、
今後は同じ轍(てつ)を踏まないようにしたい」と話している。【藤田剛、古関俊樹】
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