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反捕鯨団体「シー・シェパード」のメンバーがイルカ漁の監視活動のため入った
岩手県大槌町で東日本大震災に遭い、住民の善意に助けられた後、今月再び町を訪れて
漁業施設などを撮影していたことが分かった。漁業関係者は
「生活の見通しも立たない時に、いざこざを起こしてほしくない」と心配している。
漁業関係者によると、2月下旬以降、複数のシー・シェパードのメンバーが大槌町に滞在。
大槌漁港でイルカ漁にかかわる漁業者や漁船、魚市場などをビデオやカメラで撮影した。
その様子の一部は同団体の公式ホームページ(HP)に掲載した。
「イルカの虐殺を暴き、やめさせる」ためだとしている。
HPなどによると、メンバー6人は3月11日、警察車両に監視されながら
大槌漁港を乗用車2台で走行中、地震に見舞われた。津波は大槌湾南方の裏山に登ってやり過ごした。
翌12日、遠野市を目指して徒歩で移動する途中、近くの住民の車に乗せてもらった。
メンバーの1人は5月上旬に大槌町を再訪し、被災を免れた漁船などを撮影していったという。
関係者によると、同団体は、大槌町と姉妹都市の米西部カリフォルニア州フォートブラッグ市にも
連絡を取り、町との友好関係を絶つように伝えたという。
大槌町や北隣の山田町はイルカなど海産哺乳類の漁が盛ん。岩手県の統計によると、
2007年の漁獲量は県全体が933トンで、うち大槌町が263トン、山田町が389トン。
09年の農林水産省の統計では、全国の漁獲量1404トンのうち、岩手県が最多の866トンを占める。
大槌町の60代漁業男性は「震災前、船上で作業中にいつの間にか撮影されていた。
イルカ漁とは関係のないカジキ用のもりまで撮影していた。今は、いざこざはやめてほしい」と戸惑う。
県水産振興課は「イルカ漁を許可した船は多くが被災し、加工工場も壊滅状態。
漁自体が存続の危機で、撮影するようなものは残っていないだろう」と話す。(菊間深哉)
2011年05月20日金曜日
URLリンク(www.kahoku.co.jp)