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九州大が理学部数学科の来年度後期入試で初めて導入する「女性枠」に対し
「男子差別だ」などと批判が出たため、九州大が内容の見直しを検討していることが分かった。
募集人員の一部を女性に限定することで、将来的に「理系女子」の研究者を増やすのが
狙いだったが、平等性への疑問の前に再考を迫られた。
九大によると、女性枠導入の背景には、学内全体で8・7%という女性教員の少なさがある。
中でも数学科の教員が所属する数理学研究院の教員66人のうち女性はわずか2人
(09年5月時点)で九大の主要な研究院の中で最少。数学科の女子学生も254人中26人と
約1割しかいない。
九大は「女性研究者増は喫緊の課題。まず入学者を増やすことが必要」として女性枠導入を決め、
数学科の12年度後期入試で募集人員9人のうち5人を女性に割り当てることにし、昨年3月に
公表した。
しかし、「男子差別だ」「法の下の平等に反する」などと苦情のメールや電話が相次いで寄せられ、
女性枠の中身を再検討することになった。九大入試課は「女性枠を目指して勉強している受験生も
いると思うのでなくすことはしないが、内容を変更せざるをえない」と話している。
同様の制度を導入した大学の中には、効果が得られず止めたケースもあり、「理系女子」養成の
“特効薬”とは言えないようだ。金沢工業大は08年度入試で女性限定の「女子特別選抜」を
始めたが、志願者は12人で募集定員(40人)を大きく割り込み、09年度も13人にとどまり
2年で中止した。
一方、08年度に同大が新設したバイオ・化学部は女子学生の割合が23・8%と好調。
同大広報課は「やってみて分かったが女性枠だけでは女性研究者増に向けた打開策にならない」
と指摘する。
内閣府によると、国内の女性研究者の比率は13%(09年時点)で米国より約20ポイントも低い。
昨年12月に閣議決定した第3次男女共同参画基本計画では、15年までに女性研究者の
採用比率30%を目標に掲げている。
ソース:毎日新聞
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