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発電と熱供給を合わせたエネルギー効率は75%と、大規模発電所に劣らない高効率を実現
している。最大の特徴は、発電量と熱電供給の割合を自在に調節できることだ。例えば電力需要が
多いときは自動車のターボエンジンのように排気される蒸気を再びタービン側に戻して発電機の
回転数を上げ、発電出力を増やすこともできる。震災以降の電力不足に対応し、その機能が
いかんなく発揮された。
都心の発電所であるために「環境面の配慮は欠かせない」(森ビル環境推進室の武田正浩
上席副参事)。ガス燃焼で生じる排ガスは六本木ヒルズの敷地内にある煙突から排出されるが、
三元触媒を使った処理装置により窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)は基準値の
半分以下と少ない。都市ガスを燃料とする高効率発電のため、二酸化炭素の排出も抑制できる。
また、「視覚的な配慮にも腐心した」(同)という。排ガス中に水蒸気が多いと煙に見え、
火災と誤認されかねないため、排ガスの湿度も調整している。都心部に発電システムを
置くことで送電ロスがほとんどなく、エネルギーの有効利用の点でも評価できる。
「東京ガスから供給されるのは事業用の中圧ガスで、家庭用のインフラに比べ耐震性が高い」。
ガスが供給されている限り、電力不足や計画停電とも無縁だ。万一、都市ガスが停止しても
灯油による発電も可能。「外資系企業や金融業などは入居ビルの選定で自家発電機能を
重視する」(森ビル広報)ため、テナント誘致にも威力を発揮しているという。
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