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100~150年周期で発生するとされる南海地震で、これまで最大規模とされてきた1707年の
「宝永地震」以前に、この時を上回る津波に近畿地方が見舞われていた可能性のあることが、
東京大地震研究所の都司嘉宣准教授の調査で分かった。兵庫県の津波予測は、
宝永地震をモデルに最悪の被害想定をしてきたが、3月の東日本大震災と同様、
南海地震でも従来の想定を超える超巨大地震が起きる恐れが出ている。(安藤文暁)
南海地震は、東海沖から四国沖の南海トラフ(海溝)沿いで周期的に起こるプレート境界型の地震。
直近では1946年にマグニチュード(M)8・0の規模で起こり、
淡路島などに津波が押し寄せた。今後30年間の発生確率は60%程度とされる。
宝永地震は、東海・東南海地震と同時に発生。M8・6は、M9・0の東日本大震災が起こるまでは国内最大級で、
死者も2万人以上。兵庫県の瀬戸内沿岸部でも高さ2~3メートルの津波があったとされる。
それ以前の南海地震に関する詳細な記録はほとんど見つかっていなかったが、
都司准教授は1361年の「正平(康安)地震」について記した法隆寺(奈良県)の記録を調査。
海岸から4キロ以上、宝永地震の記録より約1キロ内陸の大阪市天王寺区の寺社まで
津波が押し寄せていたことが確認されたという。都司准教授は「宝永地震と同じく、
東海、東南海と同時連動した地震だった可能性が高い」と指摘する。
宝永地震については、同じ南海トラフ上にある九州・日向灘でも同時に地震が起きた「4連動地震」の説もあり、
東京大や京都大などのチームは「300~500年周期で4連動地震が発生している可能性がある」とする。
その場合、破壊される断層は約700キロに達し、東日本大震災の約500キロを上回る。
国は東海、東南海、南海地震の同時発生に備え、本年度から本格的な被害予測に着手。
東日本大震災を受け、兵庫県も防災計画を見直す。
都司准教授は「兵庫でも宝永を上回る津波が過去にあったと考えてもおかしくない。
最悪を想定した対策が必要」と話している。
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