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「フクシマ50(フィフティ)」という言葉がある。福島原発の過酷な環境下で働く作業員約50人を、海外メディアがそうたたえた。
原子炉冷却のための放水作業をした消防隊員も機動隊指揮官も会見。その勇気と気遣う家族とのやりとりに心打たれた。
ふと、思う。原発事故に立ち向かう自衛隊員はなぜ出てこないのだろう?
実は、陸自中央特殊武器防護隊員6人は3号機の建屋が水素爆発したとき、乗っていた車ごとがれきに埋まり、けがもした。
現場で最も生命の危機にさらされたケースといっていい。彼らはすぐ翌日、任務に復帰したという。命令ではなく、自らの意思で。
放射線のプロとしての誇りか。それにしても、前の日に聞いた爆音は耳に残っているだろう。
現場に放置された横倒しの放水車を見れば恐怖がよみがえったはずだ。彼らが会見を開く予定はないという。
自衛隊には「ヒーローはいらない」という文化がある。1人の勇気ある行動を称賛しない、むしろ嫌う雰囲気。
若い指揮官がとっさの機転を利かせて困難を乗り切っても、あとでやんわり「蛮勇をふるうなよ」と諭される。
戦後しばらく、「憲法違反」などと不当に批判されたことの反動なのかもしれない。
でも、私はこの時代、もっとおおらかに広報してもいいと思う。防護隊長の生の言葉がぜひ聞きたい。
「我々は最後の最後まで、ここにとどまるからな」。原発周辺で活動する部隊長がそう訓示したことも、たぶん広報されることはない。
PR下手で、黙々と、愚直に活動を続ける。宮沢賢治の詩を思い出した。<雨ニモマケズ/風ニモマケズ……>。部隊長は付け加えた。
「住民は我々の姿をみて安心しているのだから」。<ホメラレモセズ/クニモサレズ>。サウイフモノニ、私はとてもなれない。
毎日新聞 2011年5月2日 0時03分
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