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和歌山県紀南地方でカツオ漁が本番を迎えているが、過去最悪の不漁ペースで推移している。
「すさみケンケン鰹(かつお)」のブランドで売り出している和歌山南漁協すさみ支所(すさみ町)では、
今年に入って昨年同期の15%ほどの約40トンしか水揚げしておらず
「これまで経験したことのないほどの不漁」と悲鳴を上げている。
和歌山南漁協すさみ支所によると、漁は例年、1月ごろに始まり、5月中旬まで続く。
水揚げは、1月が333キロ(昨年同期5・5トン)、2月が10・52トン(同19・6トン)と少なく、
例年水揚げが増え始める3月でも19・3トン(同124トン)だった。4月も20日までで
10・2トンしかなく、昨年4月の122・7トンを大きく下回りそうだ。1~4月の水揚げは
2008年203トン、09年160トン、10年272トン、今年は4月20日までで40・3トンと大幅に少ない。
大きさは平均2キロほどで1キロ1300円程度で取引されている。例年より300~500円高いが、
漁協関係者は「割に合わない」と話している。漁船の燃料費も高騰し、不漁に追い打ちを掛けているという。
漁師歴50年ほどという赤木勝さん(71)=すさみ町周参見=は「これほど捕れない年は知らん。
魚はどこにいるのだろうか」と嘆く。和歌山南漁協すさみ支所の岸正嗣さん(58)も
「すさみの漁協に勤務して40年になるが、これほど少ないのは初めて。この時期のカツオは
漁協の売り上げの中心で、年間の7~8割ほどになるので、このまま続けば非常に厳しい。
ただ、21日に四国で釣れ始めたようなので、これからに期待したい」と話している。
県水産試験場(串本町)によると、田辺、すさみ、串本の3漁港の合計漁獲量も少なく、
2月は20・3トンで1993年以降3番目に少なかった。3月は49・1トンで、平年の2割程度しかなく
過去最低となった。最盛期の4月も21日までにわずか22トンしか水揚げされておらず、
最低だった1999年の120・8トンを大きく下回りそうだ。
今年のカツオ漁は、ひき縄漁で有名な高知や千葉、八丈島なども不漁となっている。
紀南沿岸の潮の流れや海水温などは良好であることから、
日本沿岸へのカツオの回遊自体が少ないとみられている。
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