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福島第1原発事故の影響が、京滋の陶磁器産地に及び始めている。
窯の温度を測る資材を国内で唯一生産する工場が操業を停止したためだ。
当面は流通在庫などでカバーできるが、代替品の確保など対策を進めている。
生産が止まったのは「ゼーゲルコーン」。陶磁器と同じ成分でできており、
器などを焼き上げる際に窯に入れて使う。一定の温度に達するとコーンが倒れ、
火を止めるタイミングなどを知らせる。
国内では、京都市産業技術研究所(産技研、下京区)と
日本ゼーゲルコーン協会(川崎市)が供給していたが、
同研究所は2009年度末で生産を終了。同協会が委託する
福島県広野町の工場だけが手掛けていたが、原発の南二十数キロに
あるため屋内退避区域に入り、先月下旬から製造できなくなった。
近年は電気窯などの普及で使用量が減ったものの、
信楽陶器工業協同組合(甲賀市)は「コーンを使う窯元は多い。
天候や気圧などで微妙に温度が変化する窯を管理する上で重要」とする。
清水焼団地協同組合(京都市山科区)も「セラミックやがいしなど
工業用陶磁器の分野で影響が大きい」と懸念する。
生産停止を受け、産技研には全国から在庫の問い合わせが相次ぎ、
京都市外にも供給することを決定。すでに大阪の企業に納入した。
製品化支援技術グループ窯業チームの佐藤昌利研究担当課長は
「京都市内の企業が優先だが、窯業界を広く支援できれば」と話す。
規格が異なる輸入品の調達を探る事業者も出始めている。
同協会によるとコーンは600度~2千度用まで約50種類ある。
天然の土を微妙に配合して作る技術が必要で、他社での代替生産は難しいという。
「工場再開の見通しはまだ立たないが、一日も早く供給できるよう努力したい」としている。
2011年04月16日 13時32分
URLリンク(www.kyoto-np.co.jp)