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計画停電という「無計画」政策が産業界に与える影響も深刻だ。電力復旧のメドはつかず、
長期化は避けられない。日本経済に壊滅的なダメージを与え続けるのだ。
半導体工場が稼働停止すると、工程によっては再稼働に1週間かかる。
事実上、半導体は常に電力が供給されていないと、製造できない。
「自動車工場も同じです。エンジン回りの鋳造で鉄やアルミを溶かす場合、数時間後に停電すれば溶かすわけにはいきません。
半端に中断すれば、製品として売り物にならない。3時間の停電でも、前後の準備と保全を加えれば9時間も生産が止まります。
こうした現場の実態を政府と東電は、まったく理解していないのです」(自動車業界関係者)
大和総研の試算によると、計画停電が1年続けば鉱工業生産は9.2%減少し、
GDPの2.8%(約15兆円)が失われるという。
日本経済には大打撃だが、東電の無知・無策は国民の生命さえ危機に陥れている。
東京・八王子市では、夜間の計画停電中に室内で発電機を使っていた男性(62)が、
排ガス中毒で死亡。信号が止まった交差点での死亡事故も各地で相次いでいる。
さいたま市の救急病院は、昏睡状態で搬送された患者に治療用の電子機器が使えず、泣く泣く10キロ離れた病院に転送した。
特に大きな電力を要するMRIは、停電中は大半の病院で使用できない。製薬工場の稼働再開にも支障を与え、
クスリ不足解消の妨げとなっている。
計画停電が続く限り、救える命のともしびも消えていくのだ。エコノミストの紺谷典子氏が言う。
「地域ごとに一律に停電するのは、機械の仕事。政治の仕事は、どこの電力を優先させるかを決めることです。
救急病院や医薬品工場などには早急に常時供給する態勢を整えるべきです。
産業界は3時間より1日おきの停電で効率アップを求めているのに、菅政権は耳を貸そうとしない。
揚げ句に対象エリアを細分化させ、余計に分かりづらくしているのだから、愚の骨頂です。
このままでは、国民生活“壊滅計画”のための停電になってしまいます」
菅政権は産業と国民生活を破壊する愚策ということさえ分かっていないようだ。
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