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東京電力福島第一原子力発電所と同型の原子炉について、米研究機関が1981~82年、
全ての電源が失われた場合のシミュレーションを実施、報告書を米原子力規制委員会(NRC)
に提出していたことがわかった。
計算で得られた燃料の露出、水素の発生、燃料の溶融などのシナリオは今回の事故の経過とよく似ている。
NRCはこれを安全規制に活用したが、日本は送電線などが早期に復旧するなどとして想定しなかった。
このシミュレーションは、ブラウンズフェリー原発1号機をモデルに、米オークリッジ国立研究所
が実施した。出力約110万キロワットで、福島第一原発1~5号機と同じ米ゼネラル・エレクトリック
(GE)の沸騰水型「マークI」炉だ。
今回の福島第一原発と同様、「外部からの交流電源と非常用ディーゼル発電機が喪失し、
非常用バッテリーが作動する」ことを前提とし、バッテリーの持ち時間、緊急時の冷却系統の稼働状況
などいくつかの場合に分けて計算した。
バッテリーが4時間使用可能な場合は、停電開始後5時間で「燃料が露出」、5時間半後に「燃料は
485度に達し、水素も発生」、6時間後に「燃料の溶融(メルトダウン)開始」、7時間後に
「圧力容器下部が損傷」、8時間半後に「格納容器損傷」という結果が出た。
6時間使用可能とした同研究所の別の計算では、8時間後に「燃料が露出」、10時間後に「メルトダウン開始」、
13時間半後に「格納容器損傷」だった。
一方、福島第一では、地震発生時に外部電源からの電力供給が失われ、非常用のディーゼル発電機に
切り替わったが、津波により約1時間後に発電機が止まり、電源は非常用の直流バッテリーだけに。
この時点からシミュレーションの条件とほぼ同じ状態になった。
[朝日新聞]2011年3月31日16時39分
URLリンク(www.asahi.com)
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