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建屋の地下にたまった水で作業員3人が大量被ばくした東京電力福島第1原発で、
実際に復旧作業にあたった下請け会社の男性社員が30日までに共同通信の取材に
応じ、被ばく事故現場に放射線量を管理する責任者がいなかったことを問題点として
指摘した。
男性はさらに、汚染された水に足が漬かった状態で3人が作業していたことについ
ても「普通は水の中に入って作業なんかしない」と述べ、東電の安全管理の在り方に
疑問を投げかけた。
3号機タービン建屋地下で24日に被ばくしたのはケーブル敷設作業をしていた
下請け、孫請けの3人。そのうち、作業をしていたのは孫請けの作業員1人で、
下請けの2人は現場監督だった。孫請けの作業員ほど、危険が高い難作業を
任される構図になっていた可能性もある。男性は3人が被ばくした事故の問題点
として、近くに線量管理の責任者がいなかったことを挙げた。
現在、放射線量の低い場所の作業は一日8時間に及ぶこともある。作業員は
全員、敷地内の免震重要棟で寝泊まりし、乾燥米や缶詰など1日2食、
1・5リットルのペットボトルに入ったミネラルウオーター1本という過酷な条件下にいる。
男性は、東電が作業員を集めるために日当として1人数十万円を払うという
新聞記事を読んだ。「そんなことはない。作業は何年もかかるし、多くの人員が
必要だ。誰がそんな金を出すのか」とあきれる。
深刻な状態が続く1~4号機は廃炉になる可能性が高い。男性はずっと
第1原発に携わってきた。「廃炉作業が終わるまでには50年くらいかかるの
ではないか。できれば最後まで作業を続けたい」と心情を吐露。近く、
第1原発に戻るという。(共同通信)
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