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東京電力福島第1原発の事故で放出された放射性物質の量は、1979年に発生した
米国のスリーマイルアイランド(TMI)原発事故で放出された量の14万~19万倍に
上るとの試算を米国の市民団体、エネルギー環境調査研究所(IEER)のグループが
29日までにまとめた。
IEERのアージャン・マキジャニ所長は「事故の深刻度の国際評価尺度で、TMI事故と
同じレベル5だとする日本の公式見解は、幻想としか思えず、多くの誤解を招くものだ」と批判。
評価尺度はより深刻なレベル6に当たると指摘した。
IEERによると、事故でこれまでに環境中に放出されたヨウ素131の量は240万キュリー
(1キュリーは370億ベクレル)と推定され、これだけでTMI事故の放出量の14万倍。
これに加えて、放射性のセシウム134とセシウム137が計50万キュリー程度放出されたとみられ、
合わせると放出量は19万倍に達する。
IEERによると、放射性のヨウ素もセシウムの量も旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で
放出された量の10%程度。だが、チェルノブイリ事故の放出源は原子炉1基だけだったのに対し、
福島の事故の場合、3つの原子炉と4つの使用済み燃料プールが放出源になったとみられ、
半減期が約30年と長く、体内に取り込まれやすいセシウム137の量も多いため、環境への影響が
長く続くことが懸念される。
マキジャニ所長は「日本政府は、事故の実態を市民によりよく理解させるため評価をレベル6に引き上げ、
これまで放出された放射性物質の量や、今後予想される放出量などを詳細に公表すべきだ」としている。
[2011年3月29日8時56分]
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