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★津波に薄かった危機意識 専門家、以前から警告
マグニチュード(M)9・0の東日本大震災で高さ14メートル以上とされる大津波が直撃した東京電力福島第1原発。
浸水で非常用発電機のほとんどが壊れ、原子炉の冷却機能を失った。
新潟県中越沖地震など国内の原発が次々と地震に見舞われ、国や東電は地震の揺れへの対策は急いだが、
専門家の警告にもかかわらず、津波への危機意識は薄かった。
▽大津波
「869年の貞観の地震は、津波に関しては非常にでかいものが来ている。全く触れられていないのは納得できない」。
2009年6月、経済産業省で開かれた審議会の席上、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の
岡村行信活断層・地震研究センター長は、東電の報告に厳しい言葉で異議を唱えた。
06年に改定された国の原発耐震指針に沿って東電は08~09年、福島第1原発の再評価結果を国に提出。
海と陸のプレート間で起きるM7・9の地震などを想定したが、近年の研究でM8以上とされた貞観地震については、
特別な考慮をしなかった。従来、最大5・7メートルと見積もってきた津波の再評価は先送りされた。
岡村さんの追及に対し、東電は学会で提案されている震源モデルを基にして、原発への影響は「想定の範囲内」と主張。
「貞観地震については、まだ情報を収集する必要がある」として事実上、評価を棚上げした。 (続く)
産經新聞 URLリンク(photo.sankei.jp.msn.com)
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