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東日本大震災で1200人を超す死者と行方不明者を出した岩手県釜石市では、3千人近い
小中学生のほとんどが無事に避難した。
背景には、古くから津波に苦しめられてきた三陸地方の言い伝え「津波てんでんこ」(自分の責任で早く高台に逃げろの意味)
に基づいた防災教育がある。想定外の大津波が押し寄せる中、防災の教えが子供たちの命を救った。
(報道本部 枝川敏実、写真も)
釜石市北部の大槌湾を望む釜石東中学校(生徒数222人)は、同湾に流れ出る鵜住居(うのすまい)川から
数十メートルしか離れていない。
11日午後の地震発生時は、各教室で下校前のホームルームが行われていた。
立っていられないほどの横揺れが生徒たちを襲った。1階にいた3年生の栗沢正太君(15)は避難口を確保しようと、
とっさに窓を開け、机の下へ。揺れが一段落すると、担任教師が「逃げろ」と叫び、栗沢君が校庭に出ると、
2、3階にいた1、2年生も非常階段を下りてきた。
校庭に出た生徒たちは教師の指示を待たず、高台に向かって走りだした。途中、同校に隣接した
鵜住居小学校(児童数361人)の児童も合流。
小学生の手を引く中学生の姿も目立ったという。
子供たちは普段の防災訓練で使っている高台に集まろうとしたが、だれかが「まだ危ない」と言いだし、
さらに高い場所にある老人施設まで移動。学校から1キロも走っていた。
教師たちが点呼を取ったところ、登校していた両校の児童生徒計562人全員の無事が確認できた。
その5分後、両校の校舎は津波にのみ込まれた。
URLリンク(www.hokkaido-np.co.jp)
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