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京都市が１２年３月に初めて開催する「京都マラソン」を巡り、観光シーズンには世界中から１日１万人以上の
観光客を集める金閣寺（同市北区）が「参拝客らに迷惑がかかる」としてコース案に反対している。
同寺を含む市街地北西の山裾の地域が数時間、交通規制によって「陸の孤島」と化すためで、寺側はコース変更を要請。
京都では８０年代、古都税創設に拝観停止で対抗するなど寺院の力が強く、市側は理解を求めようと腐心している。
開催案では、３月の第２日曜日に１万５０００人が参加。右京区の西京極陸上競技場をスタートして嵐山や鴨川などを巡り、
左京区の平安神宮にゴールする。中でも仁和寺（にんなじ）から竜安寺（りょうあんじ）を経て金閣寺に至る通称
「きぬかけの路（みち）」は最大の見どころの一つだ。
問題は、きぬかけの路が競技で数時間も封鎖され、迂回路（うかいろ）もないため、道路北西部（山裾地域）と
南側の市街地の間が遮断されることだ。
金閣寺前は午前９時から正午まで規制され、事実上参拝できない状態となる。
同寺の藤井潔事務長は「開催自体に反対ではない」とした上で「一生に一度の京都訪問かもしれない外国の参拝客らは
どうするのか。住民生活にも大きな支障があり、陸の孤島を生むコース設定は理解できない」と反発。
立体交差のある市街地寄りにコースを移すよう提案した。
一方の京都市は「市中心部の幹線道路を長時間規制するのは困難」とし、事前の呼び掛けで観光客らへの周知を
図りたい考え。
金閣寺前など数カ所では、横断する人を集め、ランナーの流れを見ながら競技を止めずに横断させることができないか
検討している。
金閣寺同様、世界文化遺産に登録されている仁和寺と竜安寺は共に「仕方ない」とコースを了承する意向。市は現在、
市民から意見を募って修正点を検討しており、４月にもコースを正式決定する。
【太田裕之、林哲平】
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