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□プロからは信頼も
時代の流れに押されて絶滅寸前にも思えるフェンダーミラー車。だが、未だに「主役」を張っているのがタクシー業界だ。
社団法人「全国乗用自動車連合会」によると、全国で約22万台走っている法人営業のタクシーのうち、
7割程度はフェンダーミラー車。理由は「現場の運転手がフェンダーミラーを希望しているから」だという。
ではなぜ、フェンダーミラーが好まれているのか。第一に挙げられるのが、安全性に優れていることだ。
運転者の側方に位置するドアミラーに比べて、フェンダーミラーはより前方に位置しているため、より死角が少ない。
加えて、前方を見ながら運転するドライバーはドアミラーだと首を左右に振って確認しなくてはならないが、
フェンダーミラーなら前を向いたまま、視線を動かすだけで顔の向きを変えることなく後方確認ができる。
ドアミラーでは、左折時にいったん視線を前方から切って確認する必要があるが、こうした一瞬の死角が事故を引き起こすケースも多い。
人の命を預かる運転手としては、フェンダーミラーの方が安心できるのだ。加えて首をあまり動かさずに済むことで、
長時間運転の際の疲労軽減にもつながっているという。
もう一つの理由は、ドアミラーだと、ミラー越しに後部座席に乗せている客と目が合うような場面が発生し、
「こっちをのぞき込んでいる」と先方に不快感を与えることがあるからだという。“客商売”という観点から見ても、
フェンダーミラーは理にかなっているのだ。
ただ最近は、ガソリン価格の高騰や環境への配慮などの影響もあり、トヨタ・プリウスなど燃費のよい
ハイブリットカーを導入する会社や個人事業者も増えた。当然、こうした車はドアミラーだ。
それでも同連合会は「現場の運転手ら『プロ』のフェンダーミラーへの信頼感は依然、高いものがある。
完全になくなることは当分ないのではないか」と話している。(原川真太郎)(終)