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「ついにきた」。和歌山と三重の養鶏場で高病原性の感染が確認された鳥インフルエンザ。五條市の養鶏場で２８日、
鳥インフルの感染が確認され、県内の関係者に衝撃が走った。
県や市の担当者や養鶏関係者らは、鶏舎の消毒や鶏の出荷見合わせなどの対応に追われた。
県内初の感染は県内９１戸の養鶏農家の中で、最多の１７戸が集中する五條市で起きた。
御所市の県家畜保健衛生所業務第二課に、農家から通報があったのは午前８時５５分。
県庁では２６日の三重県南伊勢町での鳥インフル発生を受けて、５回目となる対策本部幹事会議が開かれ、
２６日の電話連絡で県内全戸に異常がないことを確認したばかりだった。
約１時間半後、通報を受けた同衛生所から防疫員３人が農家に駆けつけ、簡易検査を実施。
１０羽の検体すべてで陽性反応が出た。
午後０時半、県は荒井正吾知事を本部長とする対策本部会議を招集。発生した農場のニワトリの隔離、
周辺農場への移動自粛などを確認した。荒井知事は「遺伝子検査でも陽性の確率が高い。
速やかに初動防疫措置を始め、奈良から蔓延（まんえん）しないよう、全力を尽くしたい」と話した。
午後２時４５分、大和郡山市の県家畜保健衛生所業務第一課に検体１０体を持ち込み、遺伝子検査が始まった。
「いつ発生してもおかしくない状況」。畜産課の担当者は、近隣府県で鳥インフルの陽性反応が出るたびにそう話していた。
和歌山県や三重県の養鶏農家で鳥インフルが確認された２月中旬から、養鶏農家に出入りする車両を消毒するスペースを
県内４カ所に設けるなど、水際での感染防止策も講じていた。
五條市の幹部らは「窓の無い最新の鶏舎なのになぜ起こったのか。この１カ所で食い止めるのに全力を尽くしたい」と
ショックを隠せない様子だった。
県からの第一報は２８日の昼ごろ。ただちに吉野晴夫市長らが対策会議を開き、県が主導する鶏の殺処分などへの
応援態勢や鶏を埋める場所探しの検討に入った。
>>2以降に続く
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養鶏場で消毒用の石灰をまく県職員ら＝２８日午後５時３１分、五條市
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