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・一連の「パンダ歓迎報道」に私は強い違和感を抱いている。「日中友好の使者」として、
パンダ2頭が中国四川省から上海を経由し、成田空港、上野動物園に到着するまでを
逐一、祝賀ムードで伝えてきた。だがマスコミのはしゃぎぶりは、国民感情から
「浮いている」ようにしか見えない。
尖閣諸島沖での中国漁船の無法な衝突、その船長の逮捕と釈放、日本人社員4人の
身柄拘束、レアアース輸出制限など、一連の圧力を思えば歓迎気分になど、なれない。
私はむしろ、当の中国の故事成語「朝三暮四」を連想した。飼い猿たちにドングリを
与えるのに「これからは朝に3つ、暮れに4つやる」と言うと、餌の削減に気づいた
猿たちは怒った。そこで「では朝に4つ、暮れに3つやる」と言うと、同じ7つなのに
猿たちは喜んだという。転じて「うまい言葉でだますこと」の意味がある。「しょせん
猿なんてこんなもの」という話でもあろう。
「友好の使者」と言っても、パンダは無料ではない。日本側は中国側に10年間で
約8億円を支払う。しかもパンダはすでに和歌山に8頭、神戸に1頭いる。「パンダ
来日の経済効果は200億円」などの報道もあるが、信頼できる数字なのか。
とはいえ、私は中国への反感をあおるつもりは毛頭ない。むしろ中国の伝統文化には
深い敬意を抱いている。隣国である以上、日中友好は互いの尊い目標であるべきだ。
もちろんパンダには何の罪もない。同様に、罪なき日本在住の中国人につらく当たったり、
中国大使館に危害を加えたり、他国の国旗を焼くなどの行為は、自らを猿並みに
おとしめるだけだろう。
パンダの姿はテレビの映像で至近距離から十分に見た。だから私は見物には行かない。
それよりも、言論の自由を持ちながら、パターン化した祝賀報道しか発想できない
私たちが、中国政府に侮られることを恐れる。<熊本支局長・大島透>
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