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日曜夜といえば「サザエさん」。フジテレビ系の長寿アニメがこの冬、高視聴率にわいている。
昨年10月から視聴率が20%を超え続け、今月20日は24%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。
ランキング上位を維持しているのだ。
テレビ全盛期の1979年には39.4%という記録がある。寒い冬には夏よりも在宅率が上がり、
視聴率は高くなると言われている。それにしても、20%超えが19回も続くのは10年ぶりのことなのだ。
フジテレビの情野誠人プロデューサーによると、2008年のリーマン・ショックが分岐点のようだ。
20%超えは08年に7回。それが09年に14回、10年には24回とどんどん増えている。
子どもに限らず、男女とも、どの世代も見ているという。
高視聴率の理由はどこにあるのだろう。「内容は昔から変わってませんよ」と制作会社
「エイケン」の制作プロデューサー一色弘安さんは言う。家族全員が居間でちゃぶ台を囲むシーンは毎回必ず入れてきた。
磯野家には携帯電話も車もない。テレビは昭和の面影残る箱形で、電話はいまやほとんど見かけない黒電話だ。
ひな祭りやお彼岸といった季節の話題は大切に。長谷川町子さんの原作をふくらませて脚本を作るやり方はずっと変わらない。
「やっぱり原作が面白いのです」と情野プロデューサーは納得顔。
それならば、変わったのは私たちの方か。視聴率が下がるのは、小泉政権時代と09年夏の政権交代の時期だった。
逆に、大学生の就職内定率が落ち込むと視聴率は高くなる。
「未来志向の時は、報道番組を見ているのかもしれません。しかし現実に希望を持てない時には、
サザエさんのような虚構の世界を求めるのでしょう」。中央大教授の山田昌弘さん(家族社会学)はこう考える。
「孤族」に「無縁社会」。寂しい言葉が広がる現実に比べて磯野家のなんとにぎやかなこと。
持ち家で、男性2人分の収入があり、妻はパートに出る必要もない。カツオやワカメが学校でいじめられないか、
将来就職や結婚ができるだろうか、と心配している様子もない。
「サザエさんの家庭には生活の不安が全くありません」と山田教授。
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