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給食の時間は戦場だ。名古屋市内の小学校に勤める好子先生(52)は毎日、ひどく頭を悩ませる。
「先生、コウジ君の方がおかずが多い」「先生、ヒトミちゃんがスパゲティばっかり食べてる」。
まるでヒナが親鳥に分け前をアピールするようだ。
そんな騒ぎを治めつつ、好子先生がこっそりとごはんを大盛りにする子たちがいる。朝食を食べて来ない児童だ。
おなかがすいていると、授業に集中できない。騒いで暴れると、他の子にも影響する。
暴れる子は一人や二人は昔からいたが、数人となると、先生一人では対処できない。
「落ち着かないなあと思っていたら、朝食を食べてきていない子ばかりだった」と最近、気づいた。
忘れられない子がいる。8年前に教えたタカオ君だ。
クラスのみんなが給食を食べる前に、自分の皿にツバをつけていた。
「汚いからやめてよ」と注意すると「だって、タカオ君にとられちゃうもん」。
タカオ君は授業中もじっとしていることができず、乱暴な振る舞いが目立っていた。
母子家庭で、母親はアルコール依存症だった。冷蔵庫には、食材どころか調味料すら入っていなかった。
養護教諭にも相談し、登校後、こっそりとバナナなどをあげていた。でも、その時は乱暴な振る舞いが、
空腹のせいだとは思わなかった。
小学校を卒業して「どうしてるかなあ」と思っていたら、悪い知らせが来た。
タカオ君が中学校の給食室に盗みに入って捕まったのだ。
(続く)
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小学生の男児は給食で出されたふりかけご飯を「ごちそう」と言った
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