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★発信箱:チキンレースの敗者=倉重篤郎(論説室)
1975年、三木政権は石油ショックの減収補填(ほてん)のため10年ぶりに赤字
国債(2.1兆円)を発行した。今に至る借金漬け財政の走りとなるわけだが、時の大
平正芳蔵相は、この根拠法の恒久法化を画策した財政当局に対し、借金の痛みを毎年味
わえ、と1年限りの特例法のままにさせた。
その後国会も国民も痛みを感じることなく、赤字のケタを積み上げてきたが、36年
後、大平の遺訓がよみがえることになった。11年度予算の歳入の4割強を占める38
兆円の特例公債法案がねじれ国会で成立しない可能性が出てきたのである。
その痛み、いかばかりか。赤字国債を財源とする人件費などの予算の執行に支障が出
る。この際国会議員も国家公務員も給料を4割カット、高福祉低負担の観のある社会保
障もちょっと痛みを共有してください、というのも手かもしれない。1年間身の丈の税
収の範囲で暮らしてみる、という挑戦だ。もっとも、つなぎ資金のやりくりで当面は痛
みの先送りができる、ともいう。
問題は、不成立が国債市場に与える影響である。両論ある。1400兆円といわれる
個人金融資産の存在、95%の国内消化比率をもってまだ心配はない、危機説は脅し
だ、とする楽観論から、これが国債暴落の引き金となって大規模な金融、財政危機に発
展、日本経済は90年バブル崩壊以上の大混乱に陥る、との悲観論まである。さらには
混乱後の円安、インフレで日本経済がリセットされる、との悲観的楽観論もある。
いずれにせよ、国民には覚悟が必要だ。この重大事にチキンレースを続けている政治
よ。レースの真の敗者たる国民に、何が起こるのか、どう責任を取るのか、を最低限説
明せよ。菅政権はいうまでもない。借金政治の原因者だったかつての与党、自民、公明
にもそれを求める。
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