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極東国際軍事裁判所十一名の判事の中只一人
インドのラダビノッド・パール博士判事が一二七頁にわたる厖大な判決書を認めて、
堂々と日本の無罪と正当性を主張した。
その内容の要点は次のとおりである。
支那事変以来、米英両国は中立国の国際法上の義務に違反して、公然と蒋介石政権に対し、
経済的にも多大の援助を与えた。これは明らかに日本に対する挑発行為である。
支那事変の末期、米、英、支、蘭等四ヶ国が共同してA、B、C、D包囲網を作り、日本を経済的に封鎖した。
特に日本に対する石油の全面禁輸をしたことは、日本に対する挑戦行為である。
米国は開戦前の十一月二十六日、日本に対し、最後通牒を突きつけた。
その第三項に「日本は中国及佛印の全土から陸海軍と警察力を全部撤退するよう」要求した。
これは明らかに日清、日露両戦役の結果、日本が正当に得た権益を捨てることを要求するもので、この要求は宣戦布告と同様である。
米国は十一月二十七日前哨地帯の諸指揮官に対し、戦闘態勢に入るよう秘密指令を出した。
事実上米国はこの日に対日戦争を開始したことになる。
米国議会はこの事実を知って非常に驚き、上下両院合同の査問委員会を結成して軍部の挑発行為を厳しく非難した事実がある。
パール博士顕彰碑 (東京九段・靖国神社内・遊就館前)
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