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★生活保護の車所有認定 県裁決 福島市の処分取り消し
・軽自動車の所有を理由に、福島市が生活保護費の支給を打ち切ったのは不当として、
2歳の女児を1人で養う同市のアルバイト女性(29)が県に行った審査請求について、
県は、支給廃止処分を取り消す裁決を下した。県が支給廃止処分を取り消すのは珍しい。
女性と、支援する弁護士らが21日、県庁で記者会見して明らかにした。
生活保護法や厚生労働省通知では、障害がある場合などを除き、生活保護世帯の
自動車所有を制限している。他県では保有が認められたケースもあり、今回の裁決では、
処分の妥当性のほか、車保有の妥当性も焦点になっていた。
女性は、幼少時のトラウマから、他人が運転する車に乗るとパニック状態になるため、
生活の足として軽乗用車を所有。女児出産後にそううつ病を発症し、2009年8月から
生活保護費を受給していたが、車は処分するよう再三指導を受け、昨年10月1日付で
支給廃止処分となった。
これを不当として女性が審査請求したもので、裁決は8日付。市は処分を決定時に遡って
不支給分を支給する。
裁決では、女性に対する市の指導について「丁寧な説明を行っていたとうかがえる記録は
見当たらず、対応が十分であったとは言い難い」としたうえで、女性について「要保護性は
極めて高い」と認定した。車の処分指導に関しては、自宅に近い別の医療機関を通院先に
することも可能とし、「直ちに違法とすることはできない」と判断した。
支援する弁護士らは会見で、車による生活が一般的になっている実情を改めて指摘した上で、
「車の処分指導の違法性が認められなかったのは残念だが、形式的な生活保護行政、
機械的な処分指導の在り方に大きな影響をもたらす」と評価。女性は「今はとてもホッとして
いるが、希望の光が見えていけるように頑張っていきたい」と話した。
一方、福島市地域福祉課は「裁決を真摯(しんし)に受け止め、今後の生活保護の指導に
生かしたい」としている。
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