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石原知事 不出馬の意向 支援者らに伝達
石原慎太郎東京都知事(78)が、四月十日投開票の都知事選に出馬しない意向を固めたことが分かった。
知事の長男で自民党の石原伸晃幹事長が、不出馬の意向を有力支援者らに伝えた。
ディーゼル車の排ガス規制や夏季五輪招致活動などで注目を集めた石原都政は、
三期十二年で終止符を打つことが濃厚になった。都知事選は混戦が予想される。
関係者によると、石原氏は二十二日夕、自民党都連が開く統一地方選の決起大会に出席し、
自身の進退に言及する可能性がある。自民党を支援する都内の業界団体などが、
四選出馬を働き掛けていたが、石原氏は「誰がどう言おうと左右されない」と話していた。
石原氏は芥川賞作家で、国会議員として環境庁長官や運輸相を歴任。
一九九九年の都知事選で初当選し、大気汚染防止のためのディーゼル車の排ガス規制のように、
国の不作為を突いて存在感を示す独特の政治手法で求心力を高めた。
一方、二期目の選挙公約に掲げ、都が一千億円を出資して中小企業支援を目的に設立した新銀行東京は、
ずさんな融資で不良債権が膨らみ、税金から四百億円の追加出資を迫られた。
〇九年秋には一六年夏季五輪の東京招致にも失敗するなど、都政運営の硬直化が指摘されていた。
石原氏は〇七年の選挙で「最後のご奉公」と訴えて三選され、引退は既定路線とされていた。
だが、〇九年の都議選で民主党が第一党に躍進し、自民、公明両党が支える石原氏への対決姿勢を強めたこともあり、
自身の進退についてけむに巻く発言を繰り返していた。
開会中の都議会定例会では、民主党が批判する築地市場移転のための予算案審議が控えているため、
石原氏は、予算案が議決される三月十一日の閉会日に去就を正式表明するとみられる。
次の都知事選には、共産党政策委員長の前参院議員小池晃氏(50)、
外食大手「ワタミ」創業者の渡辺美樹氏(51)らが既に名乗りを上げている。
東京新聞 2011年2月22日 夕刊
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