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★木語:九九はなぜ九九か=金子秀敏
かけ算の九九を書いた木簡が昨年、奈良市の平城宮跡で出土した(12月4日各紙)。
長さ16・3センチ、幅1・5センチ。割りばし袋ほどの大きさだ。先が折れている
ので本来はもっと長いものだろう。
表は9の段の一部。「(三)九廿(にじゅう)七 二九十八 一九如九」(カッコ内
は欠損)の数字が読めた。
裏は8の段。「五八(〓(しじゅう)) 四八卅(さんじゅう)二 三八廿
(四)」。別の木簡に「宝亀」の年号があった。8世紀後半だ。
九九木簡はすでに藤原京跡のほか新潟県内などでも見つかっている。今回話題になっ
たのは、1×9の次にイコールを示す「如」の文字があったからである。中国古代の
「孫子算経」と同じ表記だ。だから日本の九九の起源は中国の書物だと某紙は書いた。
そうだろうか。一から十まで、九九に使う漢数字は中国製なのだから、九九も中国で
できたことは当然だが、だからといって「孫子算経」が原典と言えるだろうか。
(続く)
■ソース(毎日新聞)
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