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佐賀地裁(佐賀市)の敷地内に長年、祠(ほこら)が放置され、地裁が「宗教施設と誤解され、憲法の政教分離の
原則上問題がある」との判断で、昨年末に撤去し、本殿である近くの神社境内に移設していたことが分かった。
地裁によると、祠は国が用地を取得した1884(明治17)年からあったが、市有地の神社への無償提供を
違憲とした昨年1月の最高裁判決を受け、撤去を決めたという。
政教分離に関する司法判断をする裁判所が敷地内の宗教施設を「黙認」してきたことに、識者からは批判も出ている。
地裁によると、撤去したのは敷地の西側にあった石造の祠で高さ50センチ、幅20センチほど。奥の石面には
「稲荷(いなり)神」がキツネに乗った姿が彫られていた。数年前から、地裁内部には「宗教施設に当たる」と
問題視する声があったが、「祠は佐賀県神社庁が把握しておらず、宗教施設と判断する材料が少ない」として放置してきた。
ところが、最高裁が昨年1月、北海道砂川市が神社に市有地を無償提供していることを「憲法の政教分離の原則に反する」と
判断。これを受け佐賀地裁も祠の設置の経緯などを周辺の神社に尋ねたところ、地裁から約100メートル離れた鳩森
(はとのもり)神社が祠の本殿と判明、祠を境内に移設したという。
同神社の江副秀弥宮司(53)によると、祠は五穀豊穣(ほうじょう)をつかさどる神の分霊が祭られ、40-50年前は
歴代宮司が定期的に神事を執り行っていた。江副宮司は「撤去されるまで祠には菓子などが供えられていた。
地裁は宗教施設と知っていたのではないか」と話す。
地裁の担当者は「参拝者は確認していない。ただ外見が宗教的施設に見えるのは間違いない。国有地の管理に
問題があった」と釈明している。
■地裁の鈍感さに驚き 小泉洋一・甲南大学法学部教授(憲法)の話
最高裁判決が示す通り、公的な場所に宗教的な施設があるのは憲法違反。しかも「法の番人」である裁判所の敷地内となれば、
大きな問題だろう。長年放置し続けた地裁の政教分離への鈍感さに驚きを隠せない。