11/02/05 15:07:17 cGo7oEWVO
>>419つづき
手段としての民族主義はこれを自由に使ひ分けながら、沖縄問題や新島問題では、「人質にされた日本人」の
イメージを以て訴へかけ、一方、起りうべき朝鮮半島の危機に際しては、民族主義の国際的連帯感といふ
論理矛盾を、再び心情的に前面に押し出すであらう。被害者日本と加害者日本のイメージを使ひ分けて、
民族主義を領略しようと企てるであらう。しかしながら、第三次の民族主義における分離の様相はますます
顕在化し、同時に、ポスト・ヴィエトナムの情勢は、保守的民族主義の勃興を促し、これによつて民族主義の
左右からの奪ひ合ひは、ますます先鋭化するであらう。
三島由紀夫「文化防衛論 戦後民族主義の四段階」より