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【カイロ時事】エジプト最大のイスラム原理主義勢力、ムスリム同胞団の最高
幹部の一人でカイロ大学教授のラシャド・バイユーミ氏は2日までに、ムバラ
ク大統領退陣後の政権で主導権を握ることに強い意欲を示し、エジプトが1979
年にイスラエルと締結した平和条約を破棄するほか、米国の援助拒否、シャリ
ア(イスラム法)導入など、政策の抜本的修正を目指す意向を表明した。バイ
ユーミ氏は同胞団内で最高指導者に次ぐ幹部3人の1人。時事通信のインタビュー
に対し、同胞団の一致した見解として明らかにした。
欧米諸国は親米ムバラク政権の退陣後のイスラム勢力台頭を懸念しており、バ
イユーミ氏の発言は欧米側を一層警戒させる材料になりそうだ。
同氏は「最高憲法裁判所長官と協議し、暫定政権を設け、民主選挙を容認する
憲法改正などを経た後、大統領選や議会選に候補を立てる」と言明。改憲につ
いては、大統領再選回数の制限のほか、宗教政党容認、シャリアに基づく犯罪
処罰規則の導入を求める考えを示した。
さらに、イスラエルとの平和条約を「平和的な条約ではなく、エジプトにとっ
て降伏条約だ」と批判。「新政権ではパレスチナ問題の解決が最重要外交課題
になる」と語った。
米政府の巨額の対エジプト援助に関しては「米国は中東諸国を破壊する敵だ。
援助を受ければ米国の意向に従う必要がある」とし、新政権入りすれば援助を
拒否する姿勢を明確にした。ムスリム同胞団を弾圧してきたムバラク大統領に
ついては、退陣後に「不正蓄財や政治犯弾圧、デモ参加者殺害などの犯罪行為
での訴追を求める」と述べた。
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