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(>>1の続き)
●話し合い解決の例も
領土問題はナショナリズムに直結します。国内世論が高揚し、双方の政府がそれに押されて
強硬姿勢に出れば、平和的な解決は遠のきます。強硬論が次第に広がって引くに引けず、
軍事的緊張が高まる可能性もあります。
世界を見渡せば、複数の国が島や地域の領有権を争うケースは珍しくありません。
1982年、南米大陸の南東沖にある英領フォークランド諸島に、かねて領有権を主張していた
アルゼンチンが侵攻しました。英国は奪還を決め、約1カ月の戦闘の末、アルゼンチン軍を
降伏させました。この紛争で両軍合わせて約900人の死者が出ました。
話し合いで解決した例もあります。中ロ国境のアムール川にある複数の島の領有をめぐって、
両国は長年、対立を続け、激しい軍事衝突も起こしました。だが、2004年、島をほぼ半分に
分割することで合意しました。
中国とロシアは決して仲が良い国とは言えませんが、陸地で長い国境を接する相手と軍事的
対立を続ける不利益を考え、政治的に妥協したのです。
●冷静な論議の環境を
日本の場合、北方領土と竹島は相手国が実効支配しており、尖閣諸島はこちらが実効支配しています。
外交交渉でも国際世論に訴えるにしても、北方領土と竹島は攻めの姿勢が必要で、尖閣は守りを
固めることが大事です。解決に向けた手法は異なるでしょう。
(続く)