11/01/28 13:42:28 0
【漢江経済リポート】
今年も韓国の財閥系ハイテク企業の元気がいい。薄型テレビ世界シェア1位のサムスン電子が
年始早々、43兆ウォン(約3兆2千億円)あまりの投資計画を公表すれば、LG電子は2014年に
「売り上げ200億ドル(約1兆6千億円)を達成して白物家電分野の世界一を目指す」と宣言。
韓国政府はサムスンなどを「国家経済の強力エンジン」と評価する。そんな韓国経済にとっての
一点の暗雲が対日貿易赤字だ。韓国は日本製部品への依存度が高いため、生産量が増えれば
対日貿易赤字も増える構図で、日韓間の「見えない摩擦」の拡大も懸念されている。
(ソウル 加藤達也)
韓国貿易協会(KITA)によると、韓国の昨年の貿易収支全体の黒字額は、サムスンやLGなど
輸出産業の好調を受け、417億ドルと過去最大を記録した。一方、韓国知識経済省は今月、
昨年の韓国の対日貿易赤字が約348億ドルで史上最大だったと発表。貿易黒字が増加する
なか、日本に対しては赤字が急上昇しているかたちだ。
韓国の対日貿易赤字は、1994年に100億ドルを突破。アジア通貨危機でデフォルト(国家
破綻)寸前に陥った98年に50億ドルを下回ったが、その後も上昇を続け2008年に327億ドル
を記録した。リーマン・ショック直後の09年こそ277億ドルに減少したが、サムスンやLGの
業績が回復基調に転じると、再び増加の勢いが増した。
韓国の対日貿易赤字の増加は、諸外国への輸出の好調を反映している。韓国は「輸出品の
製造に必要な中枢部品や素材、高度な産業機械を日本企業に依存している」(韓国財界関係者)
ため、輸出品を作る際には日本からの輸入を増やさざるをえない。韓国の政府系経済研究機関
幹部は「韓国が世界各国で製品を売れば売るほど、対日貿易赤字が増加する構図だ」と話す。
つづく