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◆丸太関税ゼロで疲弊した中山間地域 篠原孝氏(農水副大臣、民主党衆院議員)
<小さすぎる林業の生産減少>
2010年10月1日、菅直人総理は所信表明演説で、唐突に「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉
への参加を検討」と表明した。
TPPとは、人口に膾炙しているFTA/EPAとは異なり、10年後には例外なくすべての物品の関税を
ゼロにするというものである。日本も2国間のFTA/EPAは既に13か国と結んでいるが、いずれも米等の
例外が設けられている。
その折、農業への影響試算として農林水産省の出した、農業生産額4.1兆円減少が過大だと批判を
受けた。1週間後、漁業4200億円、林業500億円と公表され、数字に強い人は、林業がなぜそんなに
大きな影響を受けないのか疑問に思われたに違いない。答えは簡単。林業は既にとっくの昔から関税
ゼロの影響を受けており、それ以上打撃を受けないところまでズタズタにされているだけのことなのだ。
<関税自主権を放棄する愚行>
1951年、占領下で日本が関税自主権も失っている中で、丸太の関税がゼロにされた。サンフランシスコ
講和条約が成立する直前の関税撤廃であり、北西部(ノースウエスト)から日本に木材を輸出せんとする
アメリカの企てを感じざるを得ない。
今は関税ゼロにするのが善で高い関税が悪のように言われているが、関税自主権こそ独立国家の証し
である。明治政府が、江戸末期に押しつけられた関税自主権もない不平等条約を、必死で是正せんと
外交を繰り広げたことを忘れているのである。更に、1964年、外貨割当制度がなくなり、製材の関税も
ゼロとなり、木材の完全自由化が完成し、今や合板の関税が5%残るだけとなっている。
>>2以降に続きます。
ソース:THE JOURNAL (1月25日付しのはら考ブログ より転載)
URLリンク(www.the-journal.jp)