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★野党・自民党に望むこと
我が国の社会経済はまさに悪循環に陥っている。厳しい雇用情勢は続き、製造業の海
外転出は止まらない。空前の歳入不足の財政下で社会保障費は年々膨らみ、少子高齢化
に歯止めがかからない。期待する成長戦略は空しく、自由貿易拡大なども手詰まりであ
る。三流と言われて久しいが政治の責任はあまりにも重い。
この状況を打開するために野党第1党の自民党に、ぜひお願いしたい。第1は、閣僚
発言や個別人事に関わる議論などは後回しにし、また無理な条件はつけずに国会審議に
正面から臨み早期の政策実現を図ること。第2は、予算案や我が国の基本政策課題につ
いて、政府与党もついて来いというくらいの気概で具体案を示すことである。
今や政治の駆け引きに費やす時間的余裕はない。また、ずっと政権を担当してきた自
民党には我が国の現状のほぼすべてに責任がある。そして課題認識の基本的な方向性に
は自民党も今の政府もそう大きな違いはない。だから自民党には野党であっても率先し
て我が国の困難の打開に取り組んでもらいたい。
もちろん現政権の方針のブレや政権運営のつたなさは責められるべきである。だが我
が国の現状に対する危機感と、それを何とかしたいという強い思いや意欲は政府民主党
から伝わってくる。今の自民党内にも国の現状に対する危機意識はあるはずだ。危機感
を共有し国民の納得する国会運営をすることが与野党含めた政治の責任である。
自民党には、通常国会での新年度予算案と関連法案の審議にあたって、国民の生活と
将来不安とを人質にとって政局をもてあそぶようなことの無いよう願いたい。その動向
を国民は真剣に見ている。(啄木鳥)
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「経済気象台」は、第一線で活躍している経済人、学者など社外筆者の執筆によるも
のです。
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