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◆【産経抄】1月25日
韓国が「アデン湾の快挙」に、沸いているという。確かにソマリア沖で海賊に乗っ取られたタンカーから、
韓国人8人を含む21人の乗組員全員を救出した軍の作戦は完璧だった。作戦を命じた李明博大統領の
支持率は上昇し、軍当局は「士気高揚の絶好のチャンス」ととらえているそうだ。
▼それにひきかえ日本では、またもや自衛隊の士気低下を招きかねない事実が発覚した。北沢俊美
防衛相直轄の防諜部隊が、陸上自衛隊OBの佐藤正久自民党参院議員や田母神俊雄元航空幕僚長の
講演に潜入して、現役自衛官の参加状況を監視しているという。
▼スパイから自衛隊を守るのが、防諜部隊の任務だ。民主党政権に批判的な政治家や言論人の講演
を聞いただけで、スパイの烙印(らくいん)を押すつもりなのか。自衛隊行事で、民間人の政権批判を
封じた先の事務次官通達問題からもわかるように、自衛隊への「言論統制」が進んでいる。
▼背景にあるのは、誤解されやすい「文民統制」という言葉ではないか。立命館大学客員教授の宮家
邦彦さんによると、元の英語の「シビリアンコントロール」は、「国家の戦略的意思決定の究極的責任を、
職業軍人ではなく、文民の政治リーダーシップが負う制度」と理解されている。
▼日本のように「内局や立法府の文民が直接軍事組織を統制する」ことではないという。これを極限まで
曲解すれば、自衛隊を政権党の私兵とする、危険な考え方に行き着く。
▼ところで、韓国と同じように、日本のタンカーがもし海賊に乗っ取られたとしたら、自衛隊は救出作戦に
乗り出せるだろうか。法的には可能だという。制服組の助言を受けて、首相と防衛相が決断する。これが
本来の「文民統制」だ。
ソース:産経ニュース(産経新聞) 2011/01/25 02:45
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