11/01/23 15:03:33 0
>>4から続き
─TPPは実質、日米の自由貿易協定(FTA)とおっしゃいましたが、米国への輸出が拡大することは考えられ
ませんか
残念ながら無理です。米国は貿易赤字を減らすことを国家経済目標にしていて、オバマ大統領は5年間で
輸出を2倍に増やすと言っています。米国は輸出倍増戦略の一環としてTPPを仕掛けており、輸出をする
ことはあっても輸入を増やすつもりはありません。これは米国の陰謀でも何でもないのです。
オバマ大統領のいくつかの発言(※1)を紹介します。11月13日の横浜での演説で輸出倍増戦略を進めて
いることを説明した上で、「...それが今週アジアを訪れた大きな部分だ。この地域で輸出を増やすことに
米国は大きな機会を見いだしている」と発言しています。この地域というのはアジアを指しており、TPPの
GDPシェアで見れば日本を指しています。そして「国外に10億ドル輸出する度に、国内に5,000人の職が
維持される」と、自国(米国)の雇用を守るためにアジア、実質的に日本に輸出するとおっしゃっています。
米国の失業率は10%近くあり、オバマ政権はレームタッグ状態です。だからオバマ大統領はどこに行っても
米国の選挙民に向けて発言せざるを得ません。
「巨額の貿易黒字がある国は輸出への不健全な異存をやめ、内需拡大策をとるべきだ」とも言っています。
巨額の貿易黒字がある国というのは、中国もですけど日本も指しています。そして「いかなる国も米国に
輸出さえすれば経済的に繁栄できると考えるべきではない」と続けています。TPPでの日本の輸出先は
米国しかなく、米国の輸出先は日本しかない、米国は輸出は増やすけれど輸入はしたくないと言っています。
米国と日本の両国が関税を引き下げたら、自由貿易の結果、日本は米国への輸出を増やせるかもしれない
というのは大間違いです。米国の主要品目の関税率はトラックは25%ですが、乗用車は2.5%、ベアリングが
9%とトラック以外はそれほど高くありません。日米FTAと言ってもあまり魅力がありません。
>>6以降に続きます