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古い文書や画像を記録したマイクロフィルムの劣化が、各地で問題になっている。
酢のようなにおいを放ち、ワカメのようにゆがんでしまう「ビネガーシンドローム」。
図書館などでは劣化を遅らせる工夫をしたり、新しいフィルムに複写したりするなど
対応に追われている。
京都市内の私立大学の図書館。資料室に入ると、鼻を突くような酸っぱいにおいが漂っていた。
原因は、貴重な仏典などを撮影したマイクロフィルムだった。10年ほど前、資料を閲覧した
利用者の指摘で、異変に気づいた。フィルムが波を打ち、表面に白い粉が付いていた。
まるで酢こんぶのような状態で、機器で映し出すこともできなかった。
この図書館では、2千本を超えるフィルムのうち、約半分がビネガーシンドロームになっている
可能性があるという。
マイクロフィルムの劣化を防ぐため、専用の収蔵庫を設ける大学図書館もある。
東京都内の私立大学もその一つ。「使用できなくなったものはない」というが、保管状態を
昨年調査した。劣化の進行が早い素材でできたマイクロフィルムもあるためだ。
作製した年代のほか、製作した出版社によっても劣化の進行に違いがあることが分かったという。
主な原因は高温と多湿だ。高温・多湿状態に置かれたフィルムは、画像を記録するゼラチン層に
接する「セルロースアセテート」が空気中の水分と反応して酢酸が発生し、フィルムの表面に
べたつきが出て、波打ってしまう。そのまま放っておくと表面に白い粉が付き、再生できなくなる。
大手フィルムメーカーの富士フイルム(本社・東京)によると、同社がセルロースアセテートを
材料にしたマイクロフィルムの販売を始めたのは1958年。しかし、80年代後半にビネガーシンドロームが
問題化し始めたため、93年には劣化しにくいポリエステルに切り替えたという。
劣化したマイクロフィルムの修復を手がける業者もいる。京都市上京区の吉岡映像は、
東京や北海道の企業と共同で劣化したマイクロフィルムの修復技術を開発し、特許を出願中だ。
(一部省略)
ソース:asahi.com
URLリンク(www.asahi.com)
画像:酢こんぶみたい
URLリンク(www.asahicom.jp)